所長メッセージ

「材料」無くして私たちの社会は成り立ちません。金属・半導体・セラミックス・高分子などの様々な材料が、現代のエネルギー・情報通信・医療健康・高速移動などあらゆる技術分野で利用されており、多くの技術分野は高性能な材料の創製とともに発展してきたといえます。この材料創製を加速するためにも、学術的基盤としての「材料科学」を推進することは今後も不可欠です。
材料科学高等研究所(AIMR)は、世界トップレベル研究拠点プログラム(WPI)の支援を受け、材料科学に加えて物理学・化学などの世界的研究者が集結して2007年に創設されました。その後、異なる材料系に共通な普遍原理を見出すべく新たに数学が加わり、「予見に基づく材料科学」を確立するなど、材料科学分野の発展に大きく貢献して参りました。2024年からは新たに「3フィールド×3トップ」戦略をスタートさせ、量子・スピン材料、ソフト・バイオ材料、エネルギー材料の3つの重点研究分野(3フィールド)を設定、最先端のサイエンスはもとより、社会価値創出のためのイノベーション、さらには大胆な異分野融合を目指すフュージョン(3トップ)を推進しています。さらにこの3×3戦略を加速させるための「数学駆動リサーチアセット」として、ナノテラスとも連携した先端計測やAI・ロボティクスなどの高度利活用、そのための研究組織や研究インフラも拡充しています。
東北大学は2024年に国際卓越研究大学として正式認定され、個別の研究振興だけでなく、大学が世界と伍して成長軌道を描くための様々なシステム改革にも主眼を置いた取り組みを進めています。そのなかで、「世界の研究者を惹きつける研究環境」や「全方位の国際化」などを中心に、AIMRが果たすべき役割はますます大きくなって参りました。具体的目標として掲げられている、海外からの研究者や女性・若手研究者、さらに国際対応力のあるスタッフなどの比率向上は、まさにAIMRが創設以来実践してきた取り組みであり、その経験を大学に還元することで全学的な国際化・研究力強化が実現できると確信します。国際卓越研究大学としての東北大学を先導しうる部局のひとつとして、これからも着実な歩みを進めて参ります。
研究分野や組織・国境を超えて果敢に挑戦を続け、【社会と世界につながる先端材料科学】を目指す材料科学高等研究所(AIMR)に、今後ともご支援賜りますようどうぞよろしくお願い致します。


