「3フィールド×3トップ」戦略
AIMRは、材料科学の学理の革新、あるいは新しい機能性材料の創出や新規デバイスの開発を通して、安全で豊かな生活の基盤を構築し社会に貢献することを目指しています。
このゴールに向かってAIMRは、量子・スピン材料、ソフト・バイオ材料、エネルギー材料の3つを重点研究分野に据え、各分野(フィールド)において、トップサイエンス、トップフュージョン、トップイノベーションとして3つのトップレベル研究を行う「3フィールド×3トップ」戦略のもとで研究を展開しています。トップサイエンスでは、学理における世界最先端を追求します。トップフュージョンでは、その最先端の学理を分野横断的に融合させることにより、革新的な学理の創出を目指します。トップイノベーションでは、生み出された革新的学理をスタートアップ並びに産学連携に結実させることで、社会課題の解決を目指します。各フィールドにおける研究戦略は以下です。
フィールド量子・スピン材料

トポロジカル相やスピンダイナミクスに関する新しい理論的枠組みを編み出し、角度分解光電子分光(ARPES)に代表される先端計測技術を駆使して実証する。新しい量子スピン材料の探索や低次元/積層構造の精密な制御を通して、高効率かつ革新的な次世代の電子・磁気デバイスを創成する。
フィールドソフト・バイオ材料

数学と協働し、自己組織化高分子や培養神経細胞が作る階層構造からウイルス検出やバイオコンピューティングといった機能を実現するための指導原理を得る。キラル材料、有機半導体、金属酸化物微粒子系に見られる複雑な相互作用を階層横断的に理解し、新奇な応答性を示す材料群を開拓する。
フィールドエネルギー材料

マルチモーダルなデータ同化による材料探索や数学的なデータ解析によるイオンダイナミクス解析で、軽元素主体の電気化学触媒や固体電解質の精密制御を実現する。界面・曲面の数学を用いた3次元炭素電極の開発とも併せ、低炭素社会に向けた新エネルギーデバイスの基礎科学を展開する。
数学駆動リサーチアセット

この「3フィールド×3トップ」戦略を可能にするのが「数学駆動リサーチアセット」です。AIMRにおいて数学は、その抽象化力によって材料科学内の異分野同士を、あるいは材料科学と社会を繋ぐ触媒として機能してきました。こうした数学の役割をデータ獲得・提供・分析の面から補強するのが先端計測、計算科学、データ科学です。
AIMRでは数学者と材料科学者たちがアンダーワンルーフで化学反応を起こしながら、先端材料科学をリードしていきます。