トップマネージメント

AIMRでは、教授会のような審議組織は設置せず、所長自らの意思決定によるトップダウン型の運営を行っています。このような簡潔な意思決定の仕組みは研究者が研究に専念できる環境に繋がり、世界最高レベルの材料科学研究所であるAIMRの運営基盤となっています。

このような運営を機能させるためには所長の強いリーダーシップに加え、所長とPI(主任研究者)が所の運営方針に関してベクトルを合わせることも不可欠です。AIMRでは所長が必要と判断した事項についてはPI Meetingを通じてPIと率直に意見交換、情報共有等を行っております。会議はすべて英語で行い、外国人研究者がストレスなく参加できる国際標準の体制としています。

所長

折茂 慎一
教授
デバイス・システムグループ主任研究者/グループリーダー

折茂慎一教授は、材料工学・材料化学を専門とし、特にエネルギー材料研究において卓越した手腕を持ち、文部科学大臣表彰 科学技術賞(研究部門)(2012年)、Science of Hydrogen & Energy Award(2015年)をはじめとする多くの国内外の賞を受賞しています。また2018年には、文部科学省 科学研究費助成事業 新学術領域研究(研究領域提案型)において、最先端水素科学にかかわる「ハイドロジェノミクス」の領域代表として当該分野を先導しています。

また、フンボルト財団フェロー等としてドイツ・マックスプランク研究所等での滞在・研究歴をもち国際的感覚も兼ね備え、東北大学総長特別補佐(2012~2014年)、東北大学総長プロボスト室員(2018年より)等、大学運営にも関わるなど、管理運営の経験も十分に有しています。日本学術振興会 産学協力研究委員会「材料中の水素機能解析技術第190委員会」委員長(2015年~現在)、日本金属学会本部第1分科委員長(2015~2017年)、同学会本部理事(2017~2019年)なども歴任し、国内の科学技術振興にも貢献しています。

AIMRでは、2013年に主任研究者、2017年4月にデバイス・システムグループリーダー、2018年11月に副所長、2019年10月に所長に就任いたしました。

副所長

小澤 知己
教授
材料物理グループ主任研究者

小澤知己教授は、物性物理学の理論研究を専門とし、特にトポロジカル物性理論や量子物質を用いた量子シミュレーションの分野で顕著な研究成果を挙げています。実験物理学者との協働にも積極的に取り組み、数理的・理論的研究から実験への理論提案、さらには実験結果の解釈まで、幅広い研究活動を展開しています。

小澤教授は2012年にアメリカ・イリノイ大学で物理学の博士号を取得後、2018年に帰国するまでイタリアを中心にヨーロッパで研究活動を行うなど、豊富な国際経験を有しています。AIMRへは2020年に着任し、文部科学省 卓越研究員のジュニア主任研究者として研究室を立ち上げ、2024年から主任研究者を務めています。AIMR参画後は、科学技術分野の文部科学大臣表彰 若手科学者賞(2021年)、Asian Young Scientist Fellowship(2023年)、丸文研究奨励賞(2024年)、晝馬輝夫 光科学賞(2024年)など、数々の賞を受賞し、その研究成果は国内外で高く評価されています。

理論物理学者として、数学者と材料科学者の架け橋となり、AIMRが築いてきた数学-材料科学連携の枠組みをさらに発展・強化するために所長と緊密に連携し、先端的な研究を推進しています。

研究支援部門長

末光眞希
特任教授(運営)

末光眞希特任教授は1980年3月に東北大学大学院工学研究科博士後期課程(電子工学)を修了後、2018年3月に東北大学電気通信研究所教授として定年退職するまで、一貫して本学にて半導体薄膜工学の研究に従事してきました。Ⅳ族系ガスソースMBE法を開発し、世界に先駆けてSi基板上にグラフェンをエピタキシャル成長させた功績により、応用物理学会フェロー会員(2017年)並びに功労会員(2022年)に選出されています。定年退職後は、特任教授として本学の産学連携とアウトリーチ活動を推進し、2020年度からの3年間は宮城学院女子大学学長を務めるなど、大学運営に大きく関わってきました。

末光特任教授は、こうした研究・運営両面にわたる豊富な経験を活かし、「数学-材料科学連携による新材料創出」を加速すると共に、世界トップレベル研究拠点としてさらなる飛躍を遂げるよう研究支援体制の強化を推進し、所長をバックアップしています。

副研究支援部門長

赤木 和人
准教授
数学連携グループ

赤木和人准教授は計算物質科学を専門とし、特にWPI(世界トップレベル研究拠点プログラム)のもとでAIMRの数学者が切り拓いた「トポロジカルデータ解析(TDA)」の可能性を追求してきました。

日本におけるデータ駆動型材料開発プロジェクトのさきがけであるJST「情報統合型物質・材料開発イニシアティブ(MI2I)」や内閣府「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)」にTDAグループの代表者として参画し研究開発を進める一方、2021年からはAIMRに事務局を置くコミュニティを主催し、TDAの導入に関心のある材料系企業を対象とした啓発活動も展開しています。

機能材料から構造材料まで幅広い課題で数学者や材料科学者と協働してきた経験を活かし、AIMRにおける数学-材料科学連携の機運を高める工夫や取り組みを進めていきます。

蜂谷 俊幸
副研究支援部門長

蜂谷俊幸副研究支援部門長はAIMRにおける庶務、人事、会計、研究推進、国際連携等、諸業務のマネジメントを担当しています。

1994年の東北大学入職以来、本部事務機構において、大学全体の運営を司る総務関係業務を経験したほか、研究推進、産学連携といった研究者に寄り添った支援業務を担当してきました。こうした経験の中で、東北大学の伝統的な強みである材料科学分野をさらに飛躍させるというAIMRが担う重要な役割についても理解を深めてきました。

AIMRがこれからも東北大学全体の研究力、引いては世界の材料科学分野を牽引していくために、所長、研究支援部門長のトップダウンマネジメントの下、日々研究者が安心して研究に専念できる環境の構築に取り組んでいます。