ノーベル賞受賞者ダン・シェヒトマン博士特別講演会報告

2014年05月22日

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公演を行うシェヒトマン博士

5月13日(火)、東北大学百周年記念会館 川内萩ホールにおいて、ダン・シェヒトマン博士(2011年ノーベル化学賞)による講演会、「準結晶―結晶学のパラダイムシフト」を開催しました。

シェヒトマン博士は、1982年に『準結晶(Quasi-Crystal)』を発見し、この功績から2011年にノーベル化学賞をはじめ多くの賞を受賞しています。仙台では今年初めての夏日を記録したこの日、会場にはノーベル賞受賞者の講演を聴こうと高校生・大学生などおよそ600名が訪れました。

シェヒトマン博士は、自身が発見した準結晶について、従来考えられていた結晶とは違い周期性がないことを図やグラフなどを用いて分かりやすく説明し、また、この発見にはTEM(透過型電子顕微鏡)が大きな役割を果たしたことを話しました。さらに、発見した当時の結晶学では、準結晶という概念はなかなか受入れられず、一時は苦境に立たされたことを話し、来場者にどんな時も自分の力を信じ、困難に立ち向かうことの大切さを伝えました。

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来場者からの質問に耳を傾ける

講演の後、来場者からの質問が受け付けられ、直接ノーベル賞受賞者に質問できる滅多にない機会とあり、準結晶発見にまつわるプロセスや、研究への向き合い方など多くの質問が寄せられ、シェヒトマン博士は真摯に質問に答えていました。

来場者からは、「準結晶という、一般の人にとっては非常に難しいと思われる分野をシンプルにかつ分かりやすくスピーチしてくれて、とてもためになった」といった声や、「パッションあふれる講義でした。これからの研究の活力にしたいです」といった意見などが寄せられました。シェヒトマン博士の講演は多くの皆さんの心に残ったようです。

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