Under one roof

Under one roof といっても雨宿りではない.半年近く前になるが,WPI-Forum の記事にするので,AIMRでの数学と材料科学者とのコラボのインタビューをしたいと西山さんから連絡がきた.藪浩さんとの共同研究について語ってもらえませんか,というご要望であった.詳細は末尾のサイトを眺めていただければ幸いであるが,私は結構インタビューそのものを楽しませてもらった.リモートではあったが,酵素役のインタビュワーの方の自然な合いの手がうまいというか,ついしゃべってしまうのである.もう少し正確に言うと,しゃべりたいトリガーとなる種を蒔いてくれるという感じだろうか.AIMRは東北大にある材料科学の研究所であるが,そこでは異分野連携を推進している.全く異なる分野の人がおしゃべりをして,さらに共同研究に至るのは並大抵ではない.普通はうまくいかない.そのためのお膳立てとして,いくつかできることがある.一つは物理的に顔を合わせる頻度を高くする.これが under one roof なのであるが,これだけでは不十分である.相手のことを聞きたくなる,もしくは自分が話したくなるような何かシグナルを互いに(少なくとも一方が)出さないと何も始まらない.突然の雨に偶然に飛び込んだ屋根の下では,「やあ,急に降り出しましたね」と会話が自然に始まることが多いのはなぜなのか考えてみるのも面白い.やはり雨宿りになってしまった.

前編:https://wpi-forum.jsps.go.jp/sousei/vol1-1/

後編:https://wpi-forum.jsps.go.jp/sousei/vol1-2/

目次:https://wpi-forum.jsps.go.jp/mission2/

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