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研究

1. 臨床医療との協働

我々は多様な数理モデルそれに基づく数値シミュレーションを用いて、臨床医学者と協働しています。 これは、科学技術振興機構の戦略的創造研究推進事業CRESTタイプの研究の一環として行っているもので、 などを取り上げています。これらの研究を通して、数理科学から臨床医学への貢献を実現すると共に、数理科学側も新たな発展を遂げることを目指しています。

血液の流れは、流体力学的にも興味深い性質を持っており、様々な手法を用いてその性質を調べることができます。流速ベクトルをつなげて描かれる瞬間流線からは個人差の大きい大動脈形状によってもたらされる流れの構造の違いを見ることができ、主流方向の流速を差し引くことで得られる断面2次流れ渦度ベクトルと流速ベクトルの内積であるヘリシティひずみ速度テンソルの2番目に大きい固有値などからは、血管の曲がりによって引き起こされる渦や旋回流などの情報を得ることができます。 また、脳脊髄液は頭蓋骨と大脳や脊髄などの間を満たしている液体で、中枢神経系の保護など多くの役割を果たしていますが、その流れの詳細な振る舞いはよくわかっていません。MRI画像などから得られる脳脊髄液腔の形状データを用いて脳脊髄液の流れを解析することを進めています。

2. 環境問題に対する数理的手法

様々な環境問題に対して、数値シミュレーションを状況の把握やメカニズムの理解、 将来予測などに役立てようとする研究を行っています。具体的に取り上げているのは などです。我々は主に数理科学の立場からこれらの問題に取り組んでいますが、それにあたっては、現場を知る環境科学者との連携が欠かせません。国内の研究者と連携することに加えて、我々はフィンランド国立環境研究所(SYKE)の研究者と、日本学術振興会の二国間交流事業などを通じて連携を進めています。

3. 数値シミュレーション手法の研究

上に挙げたような課題を進めて行くには、信頼性のある高品質な数値シミュレーション手法が必要となります。我々は、有限差分法、有限要素法など、必要に応じて様々な数値解法を適用することで、問題解決の道を探っています。これまで当研究室に所属した学生さんが取り組んだ課題には、上記1,2に含まれるテーマは多くありますが、それ以外のテーマとしても、ろうそくの燃焼と気流の関係ラグビーボールのキックの種類による回転と運動の関係複雑形状物体周りの音の伝播などが含まれています。

4. 可視化手法に関する研究

数値シミュレーションの結果として出力されるのは、最初は単なる数字の羅列ですから、それを理解できる形にするための可視化(ビジュアリゼーション)が欠かせません。流速場を理解するための仮想的な粒子の軌跡による可視化3次元の複雑な構造を持つスカラー場を理解するためのボリュームレンダリングレイトレーシングなどのコンピュータグラィックスに関する様々な技術も重要になってきます。数値シミュレーションの計算結果を他人にわかりやすく説明するためのみならず、研究者自身がそれを正確に理解するためにも、可視化の技術はとても重要なものであると考えています。