Jan. 6th - 9th, 2014|Study Group & Workshop
Scope
|開催趣旨|
材料の機能は、異なる階層の構造が複雑に関係し合って発現する。革新的な機能材料は、原料の混合バランスや微量添加物の有無に左右されることが少なくなく、多くの場合、その設計は材料を知りつくした研究者の経験知とインスピレーションに依存している。
この材料開発における直観を補い、物理的・化学的知見および個人や組織の経験に基づく従来の開発手法の限界を打ち破るものとして「マテリアル・インフォマティクス」の考え方が生まれ、情報科学・計算科学・数学を駆使して、非自明な組み合わせの中から目的の機能を持つ物質材料群を発見し合成する試みが始まった。
その有用性・重要性への認識は、近年急速に高まっており、第一原理計算のような非経験的な物質シミュレーションを系統的に行い構造や基礎的な物性量についてのデータベースを構築し、物質群をスクリーニングするといった取り組みが世界同時多発的に進みつつある。ただ、分野としてはまだ黎明期であり、物質科学および数理科学に立脚した高度化はこれからという段階でもある。
材料科学では優位を誇る日本であるが、米国で開始したマテリアル・ジェノミックスなど、新たな材料デザイン手法の研究が始まり、日本の強みを活かすマテリアル・インフォマテックスのあり方が問われている。近年発展の著しい情報学・数理統計の手法と、最先端の計算物質科学の知見を組み合わせ、更に幾何学の発想を織り込むことで、スマート材料デザインの新たな手法を探索する。世界動向も踏まえ、日本の強みを活かすマテリアル・インフォマテックスのあり方を探るのが、本ワークショップ&スタディグループの目的である。