研究内容｜阿尻研究室｜東北大学 WPI-AIMR 原子分子材料科学高等研究機構ソフトマテリアルグループ多元物質科学研究所プロセスシステム工学研究部門 超臨界ナノ工学研究分野

この特徴を用いた例が，有機分子で修飾した無機ナノ粒子の合成です。阿尻研究室では，数ナノメートルの有機分子が数～数百ナノメートルの無機ナノ粒子の表面に結合している複合材料を超臨界水中で合成する手法を開発しました。

開発した手法では，上の図に示すように，常温 では別々の相をなす金属塩水溶液と有機修飾剤を原料に，超臨界水を無機材料の水熱合成場として使うのと同時に，有機分子の溶媒としても用いて，有機分子を無機 材料ナノ粒子の表面に結合させています。下の図は透明塗料として期待されるオレイン酸修飾CoAl₂O₄コバルトブ ルーナノ粒子をヘキサン中に分散させたものです。

このような複合ナノ粒子は，有機分子で覆われているため有機材料と親和性が高いという性質をもつため，ポリマーに均一に混合することで，無機材料の 性質を備えつつ，柔軟，軽量というポリマーの性質を兼ね備える材料の合成の実現にも貢献します。