研究内容|阿尻研究室|東北大学 WPI-AIMR 原子分子材料科学高等研究機構ソフトマテリアルグループ多元物質科学研究所プロセスシステム工学研究部門 超臨界ナノ工学研究分野

研究内容

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超臨界水とは

超臨界を語る|阿尻研究室阿尻研究室では,超臨界水を1つのツールとした研究を進めています。超臨界水とは,水が高温,高圧にあるときの状態を指します。大気圧下において,水は0℃以下で氷に,100℃以上で水蒸気になります。一方,温度を20℃に 保つと,0.023気圧(2.3 kPa)以下で水は水蒸気になり,密度が1.0から0.0002 g/cm3へと急激に減少します。

このような固体・液体・気体の変化を相変化とよびますが,温度が高いと圧力を変化させても密度が急激に変わらなくなります。つまり,相変化が起こらなくなります 。水の場合,374℃,218気圧(22.1 MPa)を境として相変化の有無が変わるため,こ の温度圧力条件を臨界点とよび,これより温度と圧力の高い水を超臨界水とよんでいます。

超臨界水のもつ特徴の一つに,油のような有機溶媒と混ざりやすいことが挙げられます。この性質は化学反応や材料合成において,大きなメリットがあります。通常,水中にしか溶けない物質と有機溶媒中にしか溶けない物質を反応させようとしても両者が混合しないため,特殊な触媒を用いる必要がありました。しかし,超臨界状態では両者が混じるため,触媒を用いることなく温度,圧力の 操作で反応を進行させることが可能となります。