さ行

錯体水素化物
リチウムイオン、ナトリウムイオンなど正の電荷を有する金属イオンと、水素化ホウ素イオン(BH4-)などの負の電荷をもつ水素化物イオンがイオン結合により安定化した高密度水素化合物のことです。
磁気光学効果
物質の磁化状態や物質に印加されている磁場によって、透過光や反射光の偏光状態が変化する現象のことです。
磁気抵抗メモリ(MRAM)
磁気抵抗メモリ(MRAM)電子のスピンをメモリ素子として利用する新しい技術で、コンピューターの情報を記憶するためにスピンの磁化状態を利用します。スピンの方向を制御することで素子の抵抗値を変化させ、抵抗値の大小をデジタル信号の「0」と「1」に対応させます。MRAMでは、スピンの情報は不揮発性であるため、コンピューターの電源を切っても記憶情報が保存されます。そのため、待機電力が大幅に節約され、省エネルギー化が達成されます。
助触媒
触媒に少量加えることによって性能を向上させる物質のこと。助触媒の役割は、活性サイトとして働いたり、電荷の蓄積により多電子反応を促進したり、電荷分離を促進するなど様々です。
靱性(じんせい)
物質の粘り強さを表すもので、クラック(欠陥)の進展に対する抵抗の大きさのことです。
水素貯蔵材料
燃料電池自動車や家庭用燃料電池などに使用される水素ガスを固体の状態で貯蔵する材料が水素貯蔵材料です。水素を金属格子の隙間に取り入れて貯蔵する材料や、水素を他の元素と化学的に結合させて水素化物の状態で貯蔵する材料など、様々な材料が世界各地で研究されています。
スピン
電子が持つ、自転に由来した磁石の性質のことです。自転軸の方向に対して、上向きと下向きの2種類の状態があります。この自転軸は物質中の電磁気相互作用によって、様々な方向を向きます。通常の金属や半導体では、同じ数の上向きスピンと下向きスピンの電子が存在し互いにキャンセルしていますが、強磁性体(磁石)では片方の向きのスピンの電子の数が多くなるため、強い磁化が発生します。
スピン軌道相互作用
電子の軌道角運動量(公転)とスピン(自転)間に働く力のことで、相対論効果を考慮することで導出されます。電子は電荷を持っているので、原子核の周りを軌道(公転)運動すると電流が流れるため、磁場が発生します。一方で、電子はスピンも持っているので、スピンの上向き、下向きという磁石の性質と軌道運動による磁場との間で相互作用が働きます。スピン軌道相互作用はどんな物質にも存在しますが、重い原子ほどその効果が顕著に現れます。次世代スピントロニクスでは、このスピン軌道相互作用を利用した技術の開発が期待されています。
スピンゼーベック効果
磁性体に温度差を与えることによってスピン流が生成される現象。スピントロニクス分野において、汎用性の高いスピン流源としての応用が期待されるとともに、逆スピンホール効果と組み合わせることで熱電変換素子としての応用の可能性が示唆されている。
スピントロニクス
電子の磁気的性質であるスピンを利用して動作する全く新しい電子素子(トランジスタやダイオードなど)を研究開発する分野のことです。電子スピンの上向き/下向き状態を、電気信号の「0」と「1」に置き換えて信号処理を行います。電子スピンは応答が早く、熱エネルギーの発生も非常に少ないので、これを利用したスピントロニクス素子は、超高速、超低消費電力の次世代電子素子の最有力候補とされています。
スピン分解光電子分光法
物質表面に高輝度紫外線を照射して、外部光電効果により結晶外に放出された電子のエネルギー、運動量、スピンを同時に測定する実験手法です。この方法により、物質中の電子のスピンの向きや大きさが、電子のエネルギーや運動量とどのような関係にあるかを、直接的に決定することができます。これまで電子のスピン検出の効率が著しく低かったため、電子スピン状態を高い精度で決定する事が困難でしたが、様々な工夫と改良を加えて、東北大学において、世界最高の分解能を持つ「超高分解能スピン分解光電子分光装置」の開発に成功しました。
スピン流
スピン角運動量の流れのこと。例えば電子は電気的な自由度である電荷と、磁気的な自由度であるスピン角運動量を持っており、前者の流れを電流、後者の流れをスピン流と呼びます。
スーパーコンピューター
一般的なコンピューターより極めて高速なコンピューターで大規模な原子構造モデルの数値計算やシミュレーションが可能です。気象予測でも使われています。
スラリー
細かな固体粒子が液体の中に分散し泥状になったもの。
正孔
結晶内の電子が欠損することによって、電子の抜けた“孔”があたかも正の電荷をもつように振舞う粒子のことを言います。ホール(孔)とも呼ばれています。
赤外線
赤色の可視光線より波長が長く、電波よりも短い波長をもつ電磁波が赤外線です。赤外線を物質に照射し、透過または反射した光を調べることで物質中の元素の結合に関する情報が得られます。
走査型電気化学顕微鏡(SECM)
試料表面の電気化学反応種の濃度分布を、微小電極により酸化/還元し、電流値として2次元イメージングします。金属の触媒能や腐食プロセスの評価や、細胞の呼吸量の評価に用いられます。特に、無侵襲的に測定可能であるため、初期胚の呼吸量評価など生殖医療に応用されています。
走査型トンネル顕微鏡(STM)
先の鋭い探針(プローブ)を試料表面に接近させ、プローブと試料表面間に電圧をかけると、両者間にトンネル電流が流れます。この微少なトンネル電流の空間分布を観測する事で、表面形状や局所電子状態を観測する実験手法です。
相変態
熱力学的に安定な系を相といい、温度や圧力などの物理的パラメータを変化させることにより別の安定相へ変化することを相変態と言います。相転移とも言われています。気体・液体・固体の変化は有名ですが、相変態の起こり方や条件は物質によって異なります。
塑性(そせい)
物質に力を加えて変形させたとき、力を除いても変形したままで元に戻らない性質を塑性と呼びます。