| 研究内容 (概要) |
材料の高機能化、高性能化に伴い、従来行なわれてきたような必要とする材料特性を経験的手法や既存の材料から絨毯爆撃的に改良していく材料開発では、ますます高くなる要求に応じることができなくなってきている。今までの材料開発手法の常識を覆し、必要とする材料特性を、原子レベルで結晶構造を制御することで直接設計し、要求される材料を創製する段階に来ていると思われる。
原子レベルで結晶構造を自由自在に制御することは容易ではないが、結晶中の欠陥や不純物近傍の欠陥構造である局在量子構造を活用することで可能である。局在量子構造は結晶には存在しない特異な原子構造や電子状態を保有し、物性に大きな影響を及ぼすことが知られている。結晶全体と比較して体積にしてごくわずかしかない局在量子構造領域がマクロ的特性に大きく影響することは、局在量子構造の制御がいかに重要であるかを示している。既存の完全結晶には存在しない局在量子構造を積極的に導入させてやることで、新しい物性を設計・創製できる可能性がある。
我々のグループの目標は、局在量子構造-電子状態-物性の相関を明らかにすることにより、原子構造制御による材料設計の指針を得ることである。具体的には、さまざまなプロセスを用いて、セラミックスの接合界面や異相界面を形成させ、人工的に局在量子構造の作成・制御を試みている。また、局在量子構造の解析は、原理的にまた技術的に高いハードルがあり困難な作業であったが、 近年の球面収差補正器の発明や走査透過型電子顕微鏡技術の進展に伴い(Fig.1)、0.1nmを切る分解能で原子構造解析や原子ひとつひとつの組成識別も可能になってきており、徐々に局在量子構造(Fig.2)の本質が解明されつつある。

Fig.1 Cs-Corrected STEM: JEOL JEM-2100F

Fig.2 HAADF-STEM Image of Ti3SiC2/4H-SiC interface.
また、電子エネルギー損失分光法を用いて、局在量子構造の持つ、電子状態も調べている。さらに、どのような局在量子構造、電子状態、物性が形成されるか、第一原理計算により予測し、作成プロセスやドーパントなどの最適化により、効率的に要求される局在量子構造を得るためのシミュレーションも行っている。
このように本研究室では、局在量子構造をターゲットとした新しい材料設計を目指している。
SiC/Ti3SiC2 Interface

La-doped RP Phase Superlattice Thin Film

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